訪問看護管理者の1日のスケジュール|元管理者のリアルな一日

働き方・職場

「訪問看護の管理者って、1日どう過ごしているの?」。管理者候補の求人を見て、そう思ったことがある人は多いと思います。求人票には「管理者候補」としか書いていなくて、実際の中身は誰も教えてくれない。気になるのは当然です。

先に言っておくと、きっちり時間割が決まっているような仕事ではありませんでした。「9時から訪問、12時から事務」みたいなテンプレは、正直うちのステーションでは1日も守れたことがありません。なので今回は時刻ではなく、1日の中で起きていたことの「順番」と「重さ」を、管理者だった1年間の実感で書いてみます。

病棟にいたころは、良くも悪くもチームで動く前提でした。誰かが手を離せなくても、他の誰かがフォローに入れる。でも管理者になってからは、判断も作業もどこかで自分に戻ってくる場面が増えました。その感覚の違いが、1日の過ごし方そのものを変えていた気がします。

朝—出勤してまず頭を使うのはスケジュール調整

出勤して最初にやるのは、その日の訪問予定の確認です。誰がどこに何件行くか、体調不良で急に休むスタッフが出ていないか、利用者さんの体調で予定が変わっていないか。ここでバタバタすると1日ずっと引きずるので、朝のこの時間が、地味に1日の質を決めていました。

うちは職員が施設からスライドしてきた2人だけで、最後まで人数が増えませんでした。利用者さんだけはどんどん増えていったので、調整の余地がほとんどなく、「誰かに振る」という選択肢が最初からなかったのが正直きつかったです。

自分も訪問に出る

管理者になったからといって、訪問件数が減るわけではありません。むしろ増える一方でした。管理者=デスクワークというイメージがあるなら、それは違うと言いたいです。自分も普通に訪問に出て、利用者さんの状態を見て、必要な処置をします。消化器や循環器の判断は正直いつまでも自信が持てませんでしたが、脳外科まわりは病棟時代の経験があったので、そこだけは落ち着いて対応できました。

1日の中に、ずっと「営業」が入っていた

ステーションの立ち上げから関わっていたので、利用者さんを増やすために、自分で地域包括支援センターやグループホーム、高齢者施設、病院、ケアマネさんのところを回って営業していました。

特にきつかったのは最初の1か月です。運営も営業も初めての経験で、何をどう進めればいいのか手探りでした。ただ、営業は最初だけで終わったわけではありません。管理者を辞めるまで、営業はずっと1日の中に入っていました。

つまり私の1日は、訪問に出て、合間に営業に回って、その合間にスタッフからの電話を受ける、という形でした。営業が実を結ぶほど利用者さんが増え、増えた訪問をまた自分が持つ。その繰り返しです。営業まわりの話は看護師なのに営業?訪問看護の管理者が地域を回った話に詳しく書きました。

日中—訪問の合間に管理者としての電話が鳴る

訪問の合間や移動中に、スタッフから電話がかかってきます。内容で一番多かったのは、利用者さんの状態変化の相談です。「これ、受診させたほうがいいですか」みたいな判断を、その場で求められます。

思い切って受診につなげたおかげで早めに対応できたケースもあれば、逆に相談が少し遅れて、対応が後手に回ってしまったこともありました。電話1本の判断がそのまま利用者さんの安全に直結するので、この時間帯は常に気を張っていました。オンコールの緊張感が、勤務時間中もずっと形を変えて続いている。そんな感覚のほうが近いかもしれません。オンコールそのものについてはオンコールがきつい看護師へ|毎日オンコールだった私の体験と負担を減らす選択肢で詳しく書いています。

この電話対応、どのタイミングで来るか読めないのがしんどいところでした。訪問中でも移動中でも構わずかかってくるので、頭の中で常に「あと何件、相談が来そうか」を数えているような感覚です。1件1件はそこまで大きな話でなくても、それが1日に何本も重なると、終業時間には結構すり減っていました。

夕方—記録と翌日の仕込み

訪問から戻ったら記録です。これは当たり前としてあるのですが、地味に時間を食うのが、ステーション内の掃除や環境整備のような、いわゆる「雑務」でした。人数が少ないので、こういう細かい作業も管理者がやることが多かったです。

そのあとに、翌日以降のスケジュール調整。本部にも相談できる人はいましたが、現場の細かい判断まで拾ってもらえるわけではなく、結局は自分で決めることがほとんどでした。メンターは契約上3か月だけついていましたが、それが外れたあとは特に、「この判断、誰かに確認したい」と思っても隣に誰もいない感覚が強かったです。

月末だけ、1日の中身がまるごと変わる

普段の1日に、月末はレセプト業務がまるごと乗ってきます。これが本当に重くて、訪問・営業・職員管理と並行してやるので、月末の数日間は1日の使い方が完全に別物になりました。レセプトの大変さは訪問看護ステーション管理者のレセプト業務はどれだけ大変?元管理者のリアルにまとめています。

「職員は宝」と思っていたけれど、体現できていたかは別の話

職員は宝、というのは管理者になる前からずっと変わらない私の考えです。今もそう思っています。ただ実際は人数がギリギリで、職員を大事にしたい気持ちはあっても、目の前の訪問や営業、判断業務に追われて、理想どおりにできていたかと言われると自信はありません。「大事にしたい」と「大事にできている」の間に、ずっと距離があった1年でした。

その日その日の小さな判断は自分の中で完結させるしかなく、それが積み重なると「孤立している」という感覚に変わっていきました。1日単位で見ると小さな出来事の連続でも、それが毎日続くと重みが違ってきます。

この働き方を1年で辞めた

結局、管理者としては1年で辞めました。理由は、人間関係とやりがいのなさが大きかったです。孤独感を抱えながら、増え続ける訪問と営業、月末のレセプトをこなす日々に、正直、心が追いつかなくなっていきました。管理者になった経緯や、引き受ける前に確認しておきたかったことは訪問看護の管理者に誘われたら確認したい5つのことにまとめているので、これから打診を受けそうな人は読んでみてください。

まとめ—時間割より「重さの配分」で考えたほうがいい

訪問看護の管理者の1日は、きっちりした時間割ではなく、「訪問・営業・電話対応・記録・翌日の準備」がずっと形を変えながら同時進行している感じに近いです。月末はそこにレセプトが乗って、さらに重くなります。求人票のスケジュール例だけを見て判断すると、実際とのギャップに戸惑うと思います。

もし今、管理者候補の求人を検討しているなら、時間割の質問より「人数が増えなかったときどうなるか」「相談できる相手は誰か」「営業はどこまで自分がやるのか」を聞いたほうが、実態に近づけます。求人票の文字だけでは見えてこない部分なので、面接で遠慮なく聞いていいところです。

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