訪問看護に向いていない人の特徴|元管理者の本音

働き方・職場

「訪問看護、気になるけど私に向いてるのかな」って検索して、ここにたどり着いた人へ。

私は病棟から訪問看護に転職して、そのあと立ち上げ期の訪問看護ステーションで管理者をしていました。今日はその経験から、「訪問看護に向いていない人」について正直に書きます。

元管理者として、先に本音の結論から

ネットでよく見る「向いていない人の特徴」って、コミュニケーションが苦手な人、判断力がない人、みたいな内容が多いですよね。間違ってはいないんだけど、管理者としてステーションを内側から見ていた私の感覚とは、ちょっとズレてます。

私の結論はこうです。訪問看護に向いていないのは、スキルが足りない人じゃなくて、チームを軽く見る人

「訪問看護って一人で回るんでしょ?人間関係が楽そう」と思って来る人が、実は一番危ない。むしろ逆なんです。一人で動くからこそ、チームの価値観の共有と協調性が、病棟以上に大事になる。

バラバラなチームのステーションがどうなるか、私は管理者として内側から見ました。その話も含めて書いていきます。

訪問看護に向いていない人の特徴4つ

①協調性がない・チームで動くのが苦手

いきなり実体験の核心なんですが、私、管理者だった頃にチームがまとまらなくて本当に苦しみました。

私は年下の管理者でした。年上のスタッフからなかなか相手にされなくて、方針を伝えても響かない。同じステーションの看護師なのに、それぞれが自分のやり方で動いてしまう。正直、しんどかったです。

訪問看護って、訪問先では一人でも、ケアは一人で完結しないんですよね。同じ利用者さんを複数の看護師で担当するから、AさんとBさんでケアの方針が違ったら、困るのは利用者さん。情報共有をさぼる人、自分のやり方を曲げない人が一人いるだけで、チーム全体のケアの質が下がるのを、私は目の前で見ました。

「一人で仕事したいから訪問看護」という発想の人は、ここで確実につまずきます。訪問はソロでも、看護はチーム。これは断言できます。

②一人での判断が極端に怖い人

訪問先には、自分しかいません。病棟みたいに「先輩ちょっと見てもらえますか」ができない。利用者さんの状態が変だなと思ったとき、その場で判断するのは自分です。

これがどうしても怖くて動けなくなる人は、正直きついと思います。

ただ、誤解しないでほしいのは、「一人で全部背負う」わけじゃないこと。電話で管理者や先輩に相談はできます。私も相談を受ける側でした。だから完璧な判断力が必要なんじゃなくて、「一人の場面に耐えつつ、迷ったら電話できる」くらいでいい。

転職を考えるなら、そのステーションの相談体制がどうなっているか、事前に確認しておくのがおすすめです。ここ、ステーションによって本当に差があります。

「一人が怖い」という不安については、こちらで詳しく書きました。
訪問看護が「一人で怖い」あなたへ|電話を受ける側だった元管理者から

③設備・環境が整っていないと不安な人

病棟なら、必要な物品は手を伸ばせばある。訪問看護は違います。利用者さんの自宅、施設、グループホーム。行く先々で環境が全然違って、「あるもので工夫する」のが日常です。

私も病棟から移ったばかりの頃は戸惑いました。でも、その場にあるもので工夫してケアを組み立てる面白さが、だんだん分かってくるんですよね。逆に「決まった物品と手順がないと不安」というタイプの人は、毎回の訪問がストレスになるかもしれません。

④「人間関係が楽そうだから」だけで選ぶ人

これ、①とつながる話です。病棟の人間関係に疲れて、「一人で動ける訪問看護なら楽になれるかも」と考える人、結構います。気持ちはすごく分かる。

でも、動機が「逃げ」だけだと、折れやすいんです。訪問看護には訪問看護のしんどさがあります。一人での判断のプレッシャー、オンコールの緊張、病棟とは違う種類のカルチャーショック。「楽になるはず」という期待で入ると、そのギャップで心が折れる。

病棟との違いは病棟から訪問看護への転職|元管理者がリアルを語るに詳しく書いたので、イメージを固めたい人は読んでみてください。オンコールが不安な人はオンコールがきつい看護師へ|毎日オンコールだった私の体験と負担を減らす選択肢も。

「病棟から逃げたい」が入り口でも全然いいんです。ただ、その先に「訪問看護でこういう看護がしたい」が一つでもあるかどうか。そこが分かれ目だと思います。

じゃあ、どんな人が向いているのか

管理者として一緒に働いてきた中で、「この人は訪問看護に向いてるな」と感じたのはこんな人でした。

  • ステーションの目的や目標、つまり「うちは何のために訪問看護をするのか」という価値観に賛同してくれる人
  • 自分の訪問だけじゃなく、チーム全体のことを考えられる人
  • 病気だけじゃなく、その人の「生活」を見る看護がしたい人
  • 整っていない環境を「工夫のしがいがある」と楽しめる人

技術や経験年数より、この4つのほうがずっと大事でした。手技は入ってから身につきます。でも価値観とチームへの姿勢は、なかなか変わらないので。

「向いていない=終わり」ではない、という話

ここまで書いておいてなんですが、一つ補足させてください。

私自身、管理者としてはスタッフ管理とレセプトなどの事務作業が本当に苦手でした。数字と書類に向き合う時間が苦痛で仕方なかった。じゃあ私は訪問看護に向いていなかったのかというと、そうじゃない。利用者さんの家に行って看護をする仕事自体は、好きだったんです。

つまり、向き不向きって「訪問看護という職種」の問題じゃなくて、「役割」や「職場」の問題だったりする。管理者業務が何をするのか気になる人は訪問看護の管理者ってどんな仕事?元管理者がリアルな業務内容を語るで書いています。

だから、この記事の特徴に当てはまった人も、「私はダメだ」で終わらせないでほしい。協調性の問題だと思っていたら、実はそのチームの雰囲気が合わなかっただけ、ということもあるので。

向き不向きより大事なのは「ステーション選び」

正直、これが一番言いたいことかもしれません。

同じ「訪問看護」でも、ステーションによって理念もチームの雰囲気も全然違います。価値観がそろって支え合えるチームもあれば、私が苦労したようなバラバラのチームもある。同じ人が働いても、前者なら向いていて、後者なら向いていない、なんてことが普通に起きます。

だから、入る前に中の雰囲気を知ることが本当に大事。見学をお願いするのも一つだし、転職エージェント経由で内部の情報を聞いてから応募するのも手です。私自身、訪問看護のあとの転職ではナース専科を使いました。気になる人はナース専科の公式サイトはこちらから。

「訪問看護に向いているか」より、「そのステーションに合うか」。問いをこっちに変えるだけで、だいぶ景色が変わると思います。

まとめ

訪問看護に向いていないのは、スキルのない人じゃなくて、チームを軽く見る人。一人で動く仕事だからこそ、価値観の共有と協調性が病棟以上に効いてくる。これが、まとまらないチームを内側から見た元管理者の結論です。

そして、向いていない気がしても、それは職種じゃなくて役割や職場の問題かもしれない。私も事務仕事は最後まで苦手なままでしたが、訪問看護そのものは好きでした。

「私、向いてるのかな」と迷っているあなたが、この記事で少しでも自分の中の答えに近づけたなら、書いた甲斐があります。迷うってことは、真剣に考えてる証拠ですから。

タイトルとURLをコピーしました