訪問看護に興味はあるけれど、求人票を見比べているだけだと「結局どこがいいのか分からない」って感じませんか。給料や勤務時間は書いてあっても、実際に働いてみないと分からないことのほうが多いんですよね。
私は病棟から訪問看護に転職して、立ち上げ期のステーションで管理者もやっていました。ステーションを運営する側にいたからこそ分かる「求人票には出てこないけど絶対に確認したほうがいいポイント」があります。今日はそれを、実際に管理者として現場を回していた経験から書いていきます。
求人票の情報だけで選ぶと危ない理由
求人票に書かれているのは「基本給」「オンコール手当」「休日数」みたいな数字だけです。でもこの数字、ステーションの運営状況によって意味がまったく変わってきます。同じ「オンコール手当5000円」でも、月に出動が0〜1回のステーションと、5回も6回もあるステーションでは負担が全然違いますよね。数字だけ見て「ここは手当が高いから良さそう」と決めるのは、正直かなり危ないと思っています。
見極めポイント1:オンコール体制の「実態」
私が管理者をしていたステーションは、当番は基本的に毎日誰かが持つ体制で、実際の出動は月に1〜2回くらいでした。回数自体は少なくても、電話が鳴るかもしれないという緊張感は毎晩あって、そこの負担感は数字には表れません。
面接や見学のときは「月の出動回数」だけでなく「オンコール当番が何人で回っているか」「連続で当番が続くことはあるか」まで聞いてみてください。当番の人数が少ないステーションほど、一人あたりの負担は重くなります。
見極めポイント2:新人・未経験者への教育体制
私が管理者だった時期は、立ち上げ期ということもあって施設のスタッフがそのまま移行してきた形だったので、いわゆる「新人受け入れ」の経験はありませんでした。だからこそ余計に思うのですが、訪問看護は病棟と違って先輩がすぐ隣にいるわけではないので、最初の同行訪問の期間がどれくらい確保されているかはかなり重要です。
特に消化器や循環器まわりの判断は経験がないと迷いやすいところで、私自身も正直そこは自信がなく、逆に脳外科の既往がある利用者さんの対応は病棟時代の経験もあって落ち着いて見られる、という得意不得意がありました。誰でも最初は分からないことだらけなので、「分からないときにすぐ相談できる体制があるか」を見学のときに確認してみてください。
見極めポイント3:事務作業・レセプトの分担
訪問看護の管理者をやっていて一番苦労したのは、正直なところ職員のシフト管理と月末のレセプト業務でした。訪問看護は診療報酬の仕組みが病棟と違って独特で、慣れるまで時間がかかります。ステーションによっては看護師一人ひとりがかなりの事務作業を抱えているところと、事務スタッフが分担してくれるところがあって、ここも求人票には書かれません。
「訪問件数以外に、どれくらい事務作業がありますか」と聞くのは、現場を知っている人からするとかなり的確な質問だと思います。
見極めポイント4:スタッフ同士の空気感
訪問看護は直行・直帰のステーションも多く、スタッフ同士が顔を合わせる機会自体が病棟より少なくなりがちです。だからこそ、朝のミーティングや申し送りの雰囲気は見学のときによく見ておいたほうがいいです。
実際に働いているスタッフから電話がかかってくるとき、一番多いのは利用者さんの状態変化についての相談でした。ちょっとした変化でも遠慮なく相談できる空気があるステーションかどうかは、利用者さんの安全にも直結しますし、働く側の安心感にもつながります。
見極めポイント5:管理者・所長のスタンス
私が管理者として大事にしていたのは「職員は宝」という考え方と、教育は根気よく続けるということでした。全部のステーションがそうとは限りません。管理者や所長がスタッフをどう見ているかは、面接のときの質問への答え方や、見学中にスタッフに向ける言葉づかいから、意外とにじみ出てきます。
私自身、管理者を辞めた理由は人間関係とやりがいの部分が大きかったので、この「トップの人柄」を軽く見ると、あとから響いてくるというのは実感としてあります。
面接・見学で聞いておきたい質問リスト
ここまでの内容を踏まえて、見学や面接のときに聞いておくといい質問をまとめておきます。
- オンコール当番は何人体制で、直近数ヶ月の出動回数はどれくらいか
- 入職後の同行訪問はどれくらいの期間確保されているか
- 訪問件数以外の事務作業(レセプトなど)はどう分担しているか
- スタッフ同士が相談し合う機会はどんなときにあるか
- 管理者・所長は普段どんなスタンスでスタッフに接しているか
全部を一度に聞くと圧迫感が出てしまうので、見学の流れの中で自然に確認できそうなところから聞いてみてください。答えに詰まったり、はぐらかされたりするようなら、それも一つの判断材料になります。
一人で決めなくていい
私が転職活動をしていたときは、ナース専科やナースパワー札幌の担当者に、こういう「聞きにくいこと」を代わりに確認してもらっていました。自分から直接聞きづらい待遇面やステーションの内部事情も、エージェント経由なら聞きやすいことが多いです。
求人票の数字だけで判断せず、現場を知っている立場だからこそ気づけるポイントを一つずつ確認しながら、自分に合うステーションを見つけてください。
