転職サイトを3社も使ったのに、最後は自分で見つけた人がいる
先日、知り合いの看護師さん(20代半ば・ここではAさんと呼びます)から転職の話を聞かせてもらいました。マイナビ看護師、レバウェル看護、看護roo!の3社に同時登録して動いていた方です。なのに、最終的に決まった職場は、自分でネット検索して見つけたところでした。
この話、聞いたときはちょっと驚きました。3社も使って、最後は自分で見つけたのか、と。でも詳しく聞いていくと、Aさんの目的が少し特殊だったことと、看護師の求人が世に出る仕組みの話が絡んでいて、すごく納得したんです。
以前、同じ病棟に転職してきた同僚2人に話を聞いた記事も書いているけれど(マイナビ看護師と看護roo!の評判は?同じ病棟に転職してきた同僚2人に本音を聞いた)、今回はまた別の方です。それでも出てきた結論が同じだったのが、個人的にいちばん興味深いところでした。
その人が探していた条件が、そもそも特殊だった
Aさんの最終目標は、看護師として公務員で働くこと。自治体立の病院や保健所みたいな働き方ですね。
ただ、公務員系は採用試験に通らないと入れない職種でした。調べてみると、書類審査や筆記、作文、面接あたりを組み合わせた選考が一般的なようで、対策の時間がどうしても要ります。夜勤やって残業してヘトヘトで帰ってくる生活のままだと、勉強時間なんて確保できません。
しかも調べたかぎりでは、自治体の看護師募集は春先に集中していることが多いみたい。年に何度もあるチャンスではないので、働きながら準備して一発で通しにいく形になります。
そこでAさんが立てた作戦が、「まず定時で帰れる職場に移る」。公務員そのものを今すぐ狙うんじゃなくて、試験勉強の時間を作るための転職を先にやる、という二段構え。この目的設定が、あとの展開の伏線になります。
3社を同時に登録した理由と、各社の印象
登録したのはマイナビ看護師・レバウェル看護・看護roo!の3社。理由は「多いほうが求人に出会えると思ったから」。まあ、そう思いますよね。私も最初そう考えたクチです。
マイナビ看護師
求人の数は多いと感じたそう。ただ、Aさんに紹介されたのは訪問看護の求人が多く、希望に合うものがなかったそうです。連絡の頻度はやや多め。それでも担当者は返事が早く、相性は良かったとのこと。結果として、ここをメインに進めることにしたそうです。
レバウェル看護
3社のなかでは中間、というのが本人の言葉でした。連絡の頻度は普通で、担当者の印象も悪くはなかったそうです。24時間対応が売りだと聞きますが、Aさんはそのサービスは使っていないとのこと。可もなく不可もなく、という評価でした。
看護roo!
ここは正直きびしめの評価で、良かった点は特になかったそうです。希望と違う求人も「とにかく受けてみて」と言われたのがしんどかった、と。連絡も遅めでした。要するに担当者と相性が悪かった、という話です。
ここ、大事なところだと思っていて。同じ会社でも担当者が違えば、体験はまるっきり変わります。だから「看護roo!はダメ」という話ではなくて、「その担当者とは合わなかった」という話。
| サービス | 連絡の頻度 | 担当者との相性 |
|---|---|---|
| マイナビ看護師 | やや多め | 良い(返事が早い) |
| レバウェル看護 | 普通 | 悪くはない |
| 看護roo! | 遅い | 合わなかった |
決定的だったのは、自分で見つけた1件の求人
ある日、Aさんがなんとなくネットで検索していたら、条件に合う求人を見つけた。すぐ、メインで動いていたマイナビの担当者に伝えて、確認をお願いしました。
返ってきた答えは「確認したけれど、もう募集していなかった」というものでした。
で、話はここで終わりません。後日、Aさんがもう一度自分で検索したら、その職場、看護師の募集をしていたんです。
そこでAさんは自分で直接問い合わせて、面接を受けて、転職が決まりました。3社使った転職活動の着地点が、自力の1件だったという。
なぜこうなったのか|嘘という話ではないと思う
これ、「エージェントに騙された」みたいに読まれるのが一番いやなので、私の考えを書いておきます。
まず、担当者にとって成約は自分の成績になる。決まれば自分の利益なので、募集している求人を「ない」と言う理由が見当たりません。冷静に考えて、嘘をつく動機がないんです。
現実的なのはタイミングの問題です。求人って生き物で、一度は本当に締め切ったものが、あとから欠員が出て再募集される、なんてことは普通にあります。確認した瞬間はたまたま閉じていた、というだけの話かもしれません。
もうひとつが構造の話です。Aさんが狙っていた公務員系の職場は、自治体や病院が自分たちのホームページや公務員向けの専門サイトで直接募集をかける形が基本のようなんです。募集の時期も春先に集中していたりします。だから紹介会社の求人一覧をいくら眺めても、そもそも載っていない可能性があります。
お金の面も無視できません。調べてみたら、看護師を人材紹介経由で採用した場合、施設側は成功報酬としておおむね年収の2〜3割前後を紹介会社に支払うのが相場とされていました。年収400万円なら100万円前後が動く計算になります。直接応募で採用すればこれがかからないので、採用側にとってコスト面で有利だという理解は、少なくとも筋は通っていると思います。もちろん、確実に人を採りたいから手数料を払ってでも紹介会社を使う施設も多いので、どちらが正解という話ではありません。
それと、これは私の想像も混じりますが、担当者が問い合わせる先と、求職者が見る採用ページが同じ窓口とは限りません。人事に確認して「今は募集していない」と返ってきた、その裏で現場からの補充依頼が動いていた、みたいなズレは起きうると思います。
つまり、エージェントに出てくる求人がこの世のすべてではない。気になる職場があるなら、自分でも施設のホームページを見にいったほうがいいです。Aさんの件から引き出せる教訓は、そこです。
それでも3社を使った意味はあった
じゃあエージェントは要らなかったのか、というと、本人はきっぱり否定していました。
- 求人の相場が分かった。自分の経験でどのくらいの条件が狙えるのかが見えた
- 転職の進め方を担当者が進行してくれたので、安心して動けた
特に2つ目。初めての転職って、いつ何をやればいいのか本当に分からないんですよ。書類はどう出すのか、面接はどう答えるのか、退職はいつ切り出すのか。そこを一緒に走ってくれる人がいるだけで、精神的にだいぶ違います。面接まわりは看護師転職の面接対策|よく聞かれる質問と転職理由の答え方【実例つき】にまとめているので、自力で進める人はこのへんを自分で埋めていくことになります。
結局みんな同じことを言う|決め手は担当者との相性
今回のAさん、以前話を聞いた同僚2人、そして私。全員バラバラの経路で転職しているのに、口をそろえて同じことを言います。担当者との相性が大事、と。
私自身は、病棟から訪問看護ステーションの管理者を1年やって、そのあとナース専科を使って今の循環器外科病棟に移りました。決め手は求人票の中身というより、担当さんが私の話をちゃんと聞いてくれたこと。管理者を辞めた理由なんて説明しづらいのに、変に評価せず整理してくれたのが大きかったです。相性で選びたい人は、こういうところから当たってみるのもありだと思います(ナース専科の公式サイトはこちら)。
逆に、同時期に使ったナースパワー札幌は連絡の回数が多くて、正直しんどかったです。サービスが悪いわけじゃなくて、私のペースに合わなかっただけ。合う合わないって、本当にそれくらいの話なんだと思います。
各社の特徴は看護師におすすめの転職サイト6選【実際に使って転職できた体験談あり】に整理してあります。
使う。けれど、丸投げはしない
「看護師 転職サイト 使わない」で検索する人の気持ち、わかる。しつこい連絡とか、希望と違う求人ばかり送られてくるとか、うんざりしますよね。
でもAさんの話を聞いて私が思ったのは、使うか使わないかの二択じゃない、ということでした。使う。ただし丸投げはしない。担当者が確認してくれた求人でも、気になるなら自分でも施設のサイトを見にいく。公務員系みたいに直接募集が基本の職場を狙うなら、なおさら自力の検索は外せない。そして、合わない担当者は遠慮なく変えてもらっていい。
Aさんはいま、定時で帰れる職場で公務員の試験勉強をしている。目標まではまだ途中ですが、きっと受かると思います。私も次に何かあったら、まず自分で調べるところから始めると思います。
